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社長借入金どうしてます?(1)

同族会社経営の社長さん、会社の貸借対照表に社長借入金(個人借入金)という勘定科目がありますか?
顧問税理士先生からお聞きかもしれませんが、その「社長借入金」は「相続財産」となります。
経済不況で資金繰りが厳しい中、何とか自前の資金で会社のやりくりをする。それ自体は間違いではありませんし、むしろ銀行から借りれば利息がかかる分、節約することが出来ます。
ただ、銀行から借りるように毎月返済をしなければならないわけではないので、どうしてもその残高が過大になっていき、手付かずのままとなるわけです。
こういった場合の「相続税の生前対策」ですが、その会社の状況によって「打つ手」は変わります。
(奥さん、子供も会社の取締役若しくは従業員である場合)
1)今後は社長さんの名前では貸付をしない
2)資金が必要なときは奥さん、子供が貸付ける。
3)奥さん、子供の資金に余裕があるときは多めに貸付ける。
4)余剰資金を会社が社長さんに返済する。
これを地道に行うわけです。この場合奥さん子供にそれほど金銭的余裕が無いときは、(4)のあとで、「110万円」の贈与税基礎控除を利用し、社長さんが奥さん子供に贈与すればどうでしょう。
また、金銭的余裕がある場合でも、「返済」を受けたとき贈与してしまったほうが無難です。
というのも、返済を受けたからには会社の帳簿上(社長借入金=相続財産)は消滅しますが、現に現金を受け取っていますので財産全体の額は理屈上同じなわけです。その分は遊興費に使ったことにする、という主張も出来ますが、金額が大きくなればなるほど信憑性は薄らいでしまいます。
なお、贈与の際には「贈与契約の書面」作成をお忘れなく。それと、実行されるときは顧問税理士の先生に良く相談してください。
但し、上記の方法を実践できる会社は、この不況下ではかなり恵まれた会社でしょう。銀行からの借入もあり、家族中からも既にある程度借入れている。このようなケースでの生前対策は、法人税とも関係してきますので次回ご説明します。

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カテゴリー:勝海

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