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社長借入金どうしてます?(2)

前回の「社長借入金=相続財産」解消の方法は、個人的に資金を持っている同族経営(家族経営)でないと、なかなか実行出来ません。多くの中小赤字会社では他の方策が急務となります。
(赤字が続いていて返済どころではない会社の場合)
1)社長の役員報酬を大幅減額し、社長借入金の返済に回す。
2)社長借入金の残高が「法人税」の繰越欠損金を下回っている場合債権放棄=債務免除をする。
3)社長借入金を資本金に振り替える。
というところが主な対策です。
1)の場合、会社から見た経費の削減、社長個人の所得税・住民税の軽減が図れる上、報酬の減額分をそっくりそのまま借入金の返済に充てれば、社長さんの手取りは同額のまま「借入金」が減少します。ただ法人税法では、役員報酬の改訂時期には制限があること、一度に減少していくわけでは無いことに注意しなくてはなりません。
2)の場合は、かなり注意が必要です。「社長借入金<繰越欠損金」という条件でなければ充分な効果は得られません。というのも、社長さんが会社に対する債権を放棄するので、会社は返済しなくて済む分「得をした=利益を得た」ということで「債務免除益」という利益を同額計上することになるからです。「社長借入金>繰越欠損金」で、その差額が大きくなればなるほど、本業が赤字であっても余分な法人税を支払う可能性が出てきます。
3)も、メリット・デメリット双方あります。これは読んでそのままの方法で、「新会社法」の施行以降手続きがし易くなったようです。ただ、「資本金の増加」=「会社の規模が大きくなった」とみなされ、法人住民税均等割額の増加や、外形標準課税が出てくるなど「新たな税負担」が発生してしまうのです。
なお、これらの方法を実施する場合は、必ず顧問税理士の先生に相談してください。税法全体からの検討をすることが必要となりますので、くれぐれも慎重に。
また、ここに挙げた対策は、わりと一般的な方法ですので既に実行済みでしたらご容赦ください。
色々と節税対策を言ってきましたが、一番重要な事は「会社を黒字経営にもっていくこと」「とにかく儲ける」。これに尽きると思います。

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カテゴリー:勝海

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